メリーバッドエンド

食べ物の事や読んだ本についての感想を書いたりしてます。

のくたーん たたんたんたんたたん 感想・ネタバレ

こんにちは、トマトです。

今回は『のくたーん たたんたんたんたたん』の感想をあげたいと思います。

あらすじ

①高校教師のスミレは、違法薬物を売っていた。そして、『死神』を呼ばれる殺し屋に殺される。

②教室でユズリハと委員長のトモリは、スミレの死について話していた。スミレは、自殺という事になっていた。

ユズリハは、帰り道にひったくりを見つける。ひったくり犯の言動にいらついたユズリハは、ひったくり犯をからかい、警察に通報する。

④ひったくりに会った女性に出会う。女性に食事に誘われるが、ユズリハに用事ができる。

ユズリハの仕事は、殺し屋だった。そして、『殺し屋』の名前で仕事をしていた。父・ギンジロウの仇である『亡霊』を殺す為に殺し屋をしていた。

今回の仕事は、組織への金を窃盗した山田ハナコの暗殺だった。その山田ハナコは、ひったくりにあった女性だった。

ユズリハは、ハナコが一人になった時に暗殺をする。ユズリハは、ハナコが死んだ事を確認する。死んだ事を確認したユズリハは、その場を去ろうとする。しかし、死んだはずのハナコが動きだした。

ハナコは、悪魔と契約した魔女だった。契約の結果、ハナコは不老不死になった。

ユズリハは、拘束する。しかし、ハナコは拘束から逃れユズリハの意識を奪う。

⑨目を覚ましたユズリハは、なぜかハナコに惚れられていた。そして、ユズリハハナコは一緒に仕事をする事になった。

ハナコの初めの仕事は、移送車から逃亡した笹壁の暗殺だった。

ハナコを囮に調査をする。調査中にトモリが笹壁に襲われる。ユズリハは、笹壁の捕縛に成功する。

⑫『亡霊』の手助けによって笹壁は、移送車から逃亡したという情報を得る。

⑬『亡霊』を追う事に疲れてきたユズリハは、心が折れそうになる。しかし、ハナコの発言によって、『亡霊』に近づいている事に気が付く。

⑭次の仕事は、温泉街での荷物の受け渡しだった。そこで、毒を扱う殺し屋に襲われる。ユズリハは、殺し屋を退ける。毒を扱う殺し屋は、『亡霊』の手先だった。そして、『亡霊』にアカツキ・ドリームランドの跡地で待っていると言われる。

⑮『亡霊』に言われた場所には、ギンジロウとそっくりの人物がいた。

⑯死んだと思われていたギンジロウは、死んでいなかった。ギンジロウの目的は、悪魔との契約によって死ぬことができなくなった自分をユズリハの手で、殺させることだった。

⑰ギンジロウのくだらない目的にユズリハを巻き込んだことに怒ったハナコハナコは、一人でギンジロウを殺そうとする。しかし、ギンジロウには手も足もでなかった。

⑱ギンジロウは、自身を殺そうとしないユズリハを脅す。自分を殺さないとユズリハの周りの人間に危害を与えると脅す。

ユズリハは、大好きなギンジロウで恨んでいる『亡霊』を殺す、殺したくないと葛藤していた。

⑳そこにギンジロウと契約した悪魔が現れる。悪魔は、ユズリハと契約をしようとする。そして、ユズリハは意識を失う。

 

㉑目を覚ましたユズリハユズリハは、自分の家にいた。そこには、自分の彼女だと言うトモリ。ユズリハとトモリの関係をからかうギンジロウ。ユズリハの仕事の上司であるボスは、ユズリハの事を知らない。ハナコは、ひったくり犯を警察に通報をした時に以降に会ってなかった。

 

ユズリハは、自分が『死神』になってなかった世界を悪魔に見せられていた。悪魔は、ユズリハに平和な日常を願わす為にユズリハに幻の世界を見せていた。

ユズリハはそんな世界を望まなかった。ユズリハは、自分が『死神』になった責任から逃れたくなかった。だから、悪魔の創った世界を拒んだ。

ユズリハは、悪意の創った世界で悪魔を倒す。

㉕現実世界に戻ったユズリハ。そこには、ユズリハに殺されたギンジロウがいた。そして、ユズリハの復讐は終わった。

ユズリハに一通の手紙が届く。本物の『亡霊』からの手紙だった。

 

感想

良い作品でしたよ。

特にキャラが良いですよ。

 

ユズリハ

今作の主人公。

優秀な殺し屋だったギンジロウは、『亡霊』に殺された。だから、『亡霊』に復讐する為に殺し屋になりました。

 

しかし、殺す事に快感を覚えているわけではありません。それが分かるのは、山田ハナコの暗殺だった。

 

ハナコを暗殺時にユズリハの表情が悲しそうに見えたからでした。

そして、一般人とかけ離れた感性を持っているわけもなく、友達が傷つけられたら激怒します。

学校生活でも普通に女子にかわいいと言ったりなど普通の高校生です。

 

そんな普通に見える高校生が殺し屋をやっているギャップが凄いですよ。

 

ユズリハは、父親のギンジロウの目的を聞かされて動揺しました。ギンジロウを殺すか、生かすかでユズリハは、苦悩しました。

 

そんなユズリハに悪魔は、囁きます。契約しないかと。

悪魔は、ユズリハに幻想を見せました。

 

悪魔が見せた幻想は、ギンジロウが殺されず、ユズリハは『死神』となって殺しをしなかった世界だった。

 

その世界では、ギンジロウは父親として生存していた。ユズリハの事を明るくからかう父親だった。

委員長であるトモリは、恋人だった。元の世界で、トモリはユズリハの事を『緋野くん』と呼んでいたが、この世界では『ユズくん』と呼んでいた。

ユズリハを殺し屋として雇っていた店のボスは、ユズリハの事を知らなかった。

ハナコは、暗殺のターゲットでもなかった。一度、ひったくり犯を捕まえた時に出会った。そんな関係でしかなかった。

 

悪魔は、平穏な日常をユズリハに見せた。

悪魔は、平穏な日常をユズリハに願わせようとした。

 

ユズリハは、そんな世界を願うのを止めたのが『死神』として仕事をする時に被っていた仮面だった。

 

仮面は、ユズリハの『死神』として生きてきた罪の形だった。

自分は、加害者だから。自分の罪から逃れてはいけない。

 

悪魔の創った世界は、ギンジロウは幸せになっていなかった。悪魔との契約で幸せになることができなかった。いくら大好きな父親と一緒にいる世界であっても、その父親が喜んでいなくては意味がない。

そんな世界をユズリハは、望んでいなかった。

 

その気持ちがユズリハを悪魔の誘惑から断ち切りました。

 

ここのシーン良かったですよ。

ユズリハの心情が丁寧に描かれていたんですよ。

 

ユズリハが自身の罪から逃れず前に進んでいく。

その描写が丁寧に描かれていました。

 

悪魔を倒して幻想から解放されたユズリハの前には、ギンジロウがいました。

ギンジロウは、死にかけていた。

 

悪魔が倒された事でギンジロウと悪魔の契約は、破棄された。

だから、ギンジロウは不死者ではなくなった。だから、死ぬことができた。

 

ユズリハとギンジロウの別れのシーンが辛かったですよ。

 

それしても、サタンが魔女との縁が3人ともあるって言ってましたね。

はなことギンジロウ。あと、一人が誰ですかね。

委員長のトモリ。もしくは、ボスか。

山田はなこ

今作のヒロインです。

悪魔と契約した魔女でした。

はなこの正体は、ジャンヌ・ダルクでした。百年戦争時にはなこは、流れやに当たって死んだ。その時に悪魔と契約しました。『子宮』と『神の縁』を差し出して不老不死になりました。

 

はなこは、組織の金を窃盗した容疑でユズリハに殺されました。その時のユズリハの悲しい表情を見て、ユズリハに恋しました。

 

この展開には、驚かされましたよ。まさかの自分を殺した人に恋するなんて予想できませんでしたよ。

 

はなこのユズリハへの気持ちは、本物でしたね。

要所要所でユズリハを支えてましたね。心が折れそうなユズリハを支えていましたね。

ギンジロウがユズリハをくだらない計画に巻き込んだことに怒って、ユズリハの代わりにギンジロウを殺そうとしましたね。でも、手も足もでませんでした。

 

ギンジロウ

ユズリハの父です。

物語初期では、『亡霊』に殺されたと思われてました。しかし、それはギンジロウの自作自演でした。

 

悪魔と契約したギンジロウは、『幸せになる権利』を引き換えに不老不死になりました。

しかし、長年生きてきたことでギンジロウは自分以外の存在がいなくなることで心が折れていきました。そこで、自分を殺す存在としてユズリハを選びました。

 

ユズリハによって殺される時の父親って感じでしたね。

 

悪魔

今作のキーパーソンである悪魔。

悪魔は、人間の願いを叶える存在でした。

 

作中では、はなことギンジロウに不老不死を与えました。しかし、悪魔との契約は、ただではありません。願いを叶える引き換えに何かを差し出す必要がありました。

 

はなこは、『子宮』と『神の縁』。

ギンジロウは『幸せになる権利』。

 

悪魔ですし、流石にただで願いを叶えることはありませんよね。

 

悪魔も複数いる事が言われてましたね。

 

はなこが契約した悪魔は、梟。他の悪魔からはルーくんと呼ばれている。

 

ギンジロウが契約した悪魔は、狼。憤怒の悪魔・サタンでした。

 

悪魔が七つ大罪と関係しているんですかね。もし、そうだとするとルーくんは何の大罪を持っているんですかね。

 

まとめ

この作品は、めちゃくちゃ面白かったですよ。

1巻でこんなに引き込まれた作品は、久しぶりですよ。

 

続きが気になりますよ。